ヒキコモリ読書録

ヒキコモリ読書録

本とか映画とか、感じたこと。

日日是好日

この映画の予告編を見た時、「あー、よくある礼儀作法とか日本古来の伝統とかを身につけるまでに一喜一憂する主人公の物語なのかなぁ」と正直思っていた。

 

でも、見てみたら全然違くて、とても心がざわついた。この映画をはやく観なかった自分を蹴り飛ばしてやりたいくらいだ。

 

私も武道、道とつくものをそれなりに真剣にやっていた学生時代がある。

 

だから、日本の伝統の上下関係や礼儀作法などの堅苦しさ(と言っていいのか…)はわかるつもりだ。

 

でも、主人公が師事している茶道の武田先生は、凛としていながらどこか柔らかい雰囲気のおばあちゃん。

 

素人の質問にも嫌な顔せず、正直に答える。

わからないことはわからないけれど、そこを考えてみるのも面白いねえ、みたいな、そういう柔らかなニュアンスである。

 

型にハマっただけの人物ではなく、それはそれとして受け止める、そういう姿勢のある、大人の女性だ。私もこんな女性に憧れる。

 

主人公の典子は、暗くて地味で不器用だけどとても真面目。はっきりいって、自分と重なった。

 

たぶん、この映画を観てぐっときた人は、主人公に自分を重ねた人だと思う。

 

典子のいとこの美智子は典子とは正反対の性格だ。思ったことははっきり言うし、明るいし自分に正直。素直になんでも言っちゃうけど、不思議と周りはそれを受け入れちゃう。

しかも器用で他人の半歩先を歩く。そんな人だ。クラスメイトだったら間違いなく人気者のタイプだ。

 

お茶を習ううちにだんだんと気づきを得ていく典子。

 

でも、不器用だから、色々なことに気付くのも人より少し遅い。

 

私も武道をやっていた頃、同じようなことが何度もあった。

 

はたしてお茶を続けていく先に見えたものとは何だったのだろうか。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

 

気になる方はみてみてくださいね。

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